吉野梅郷梅まつり_2013_平成25年
今年も、梅見の季節になったので、出かけてみた。吉野梅郷。
吉野梅郷では、今年2013年は2月23日(土)〜3月31日(日)まで梅まつりです。
吉野梅郷は、青梅のちょい奥にある梅園で、都内最大かつ日本有数の梅の名所です。
山の斜面に、これでもかと、80品種1200本の梅が咲き乱れる様は圧巻です。
電車で割と簡単に行けて、駅からも歩いて行けるので、我が家は、吉野梅郷が大好きで、よく行きます。
中央線で立川、立川から青梅線で青梅、青梅から奥多摩線で、日向和田(ひなたわだ)と乗り継いで、
やって来ました吉野梅郷。
なのですが、今年は、寒い日が続いて、まだ全然咲いてませんでした。
ちなみに、満開時の様子は、こんな感じです。
今年の見頃は、3月末くらいになりそうで、桜と同時期くらいになるのも珍しくないとのこと。
写真の日付を見ると、2009年03月15日となっていました。やっぱりちょっと早かったようです。
吉野梅郷と言えば、いつ行っても混雑していて、入店を断念していたお店があります。
それが、紅梅苑というお店で、駅から吉野梅郷へ行く道すがらにあるお店です。
この店、実は、この地にゆかりがあり、近くに記念館も存在する、
文豪・吉川英治氏の奥様が始められた有名な甘味処だそうです。
今日は、そんなに混雑していなかったので、初めて入ってみました。
基本的には、甘味処ですが、ランチタイムには1つだけ食事用のメニューがあります。
それが、栗おこわ膳です。
お重のご飯は、栗おこわ、おかずは、下の区画には、川魚の甘露煮、シジミの佃煮、クラゲの梅肉和え。
上の左側は、菜の花のおひたし、右側は、キノコの形のカマボコです。
お吸い物は、湯葉団子です。中身は、山菜とキノコです。
それに香の物が付いて。と、かなりシンプルなラインナップですが、どれも絶品です。
まず、何と言っても、栗おこわ。栗おこわ膳のアイデンティティとなる品です。
栗が凄いです。この時期の栗だとあまり期待はしていませんでしたが、とってもホクホク。
今まで食べた栗ごはんの中でも、最上位級に楽々ランクインです。
他に、特に気になったのは、菜の花のおひたしです。何だか、変わった味がします。
甘味がありつつサッパリとした醤油系の味の後、菜の花の味が消える直前だけ、
フワッと口の中に辛味が広がり、清涼感となって消えていきます。
これは、後でお店の人に聞いてみた所、ワサビとだし醤油で味付けしたおひたしだ、との事です。
今度、我が家で作ってみたいと思います。
あと、驚いたのは、カマボコです。プリップリです。
小さく切られているのに、今まで食べた事がない程のプリップリ食感でした。
栗おこわ膳、しめて1550円也。
値段は決して安いとは言えませんが、味は文句なしです。いつもお店が混雑しているのにも納得です。
紅梅苑とならんで、吉野梅郷名物と言えば。
へそまんじゅうです。何ともゆるい感じの看板が目印の、通称、へそまん。
こちらは、1個105円。とってもリーズナブル。まんじゅうの真ん中がへそ状に凹んでいます。
蒸したてを売店で購入。すぐ隣の、飲食スペースにてセルフサービスで緑茶を淹れて一緒に頂きました。
最近の和菓子の主流である所の、甘すぎない上品な餡のお味。そんな物は、どこ吹く風です。
田舎風味のアンコまんじゅうです。もったりとした食感と、甘々で濃密なアンコ。これぞアンコという感じです。
最近は、お上品な餡ばかりが世間に出回り、食べた瞬間、目から鱗が落ちる衝撃の思いがしました。
足を使って吉野梅郷で梅を梅を見ながら、散策して疲れた体には、この遠慮のない甘味こそが嬉しい味です。
と、ここまで、お気楽に、吉野梅郷グルメの感想を書いてきましたが、
ここからが、ある意味本題です。
実は、吉野梅郷は今、大きな問題に直面しているのです。
紅梅苑が空いていたのは、開花時期より早かっただけでなく、この問題も絡んでいると思われます。
去年、TVで衝撃的なニュースを見ました。
吉野梅郷の梅から、プラムポックスウイルスという、
サクラ属の木に感染する植物ウイルスが感染しているのが、発見されたらしいとの事です。
このプラムポックスウイルスについては、Wikipediaに記事がありました。
プラムポックスウイルス - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%83%9D%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9
とにかく、このPPVというウィルスは、梅エイズというショッキングな別名もあり感染した木は、
伐採する他に現在の所、手がないそうです。
感染経路は、アブラムシが媒介するほか、感染した苗木などから広がるらしいです。
このような理由から、吉野梅郷でも、梅の木がかなりの本数伐採されているとのことです。
なお、ヒトや動物には感染しません。観光で見る分には問題はありません。
梅の木の苗木の販売会も盛大に行われていました。きっと苗木の販売の売り上げもかなりの金額になっていたでしょう。
ですが今年は、梅の木はもちろん一切販売されておらず、福寿草の苗などが販売されていました。
あちこちに、ウメ、ユスラウメ、モモ、スモモ、アンズ、サクラなどの苗木や穂木、
切り枝などを持ち出さないでください。と張り紙もしてあります。
元々、梅の枝を手折って、持ち帰るのは、よろしからぬ行為だとだろうと思ってましたが、
PPVという側面から見ると、絶対にやってはいけません。
去年のニュースで、客足が遠のくことが予想されていました。
実際に、以前に訪れた時には、営業していたお土産屋さんなど、いくつものお店が閉店、撤退しており、
シャッターが下り、テナント募集の状態になっていました。
さっきも書きましたが、PPVというウィルスは、ヒトや動物には感染しないようです。
仮に感染した果実を食べても健康には、まったく影響もないそうです。
手塩にかけて育てた、梅の木がかなりの数、伐採されており、7割程度伐採されていたというような箇所もありました。
ですが例えそれだけ伐採しても、今年も吉野梅郷には、きっとたくさんの梅が咲き乱れます。
紅梅苑の栗おこわ膳は今年も来年もきっと美味しいです。
へそまんだって昔と変わらず、もちろんずっと美味しいままです。
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